EndRun エンドラン Sonoma GPS ネットワークタイムサーバー

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EndRun Sonoma GPS NTP タイムサーバ よくある質問と回答集

Q
Sonoma CDMAとGPSに共通する質問と回答集は?
A
こちらのページをご覧ください.
Q
Sonoma GPSの動作の流れが知りたいのですが?
A
こちらのページを参照ください.
Q
Stratum 2 タイムサーバーとして使えますか?
A このプロダクトノートにある手順で Stratum 2 タイムサーバーの設定を行っておくと,ホールドオーバー時間が過ぎて TFOM 9 になる代わりに Stratum 2 タイムサーバーとして運用し始めます.
プロダクトノート Stratum 2 の設定
Q

gpsd のバグで日付が戻るタイムサーバーがあると聞きましたが?

A

結論から先にお話しすると,EndRunのGPS製品ではロールオーバーにより運用に支障が生ずることは将来に渡りございません.

そもそもEndRunの製品にgpsdは使われていません.

Q

GPSロールオーバーの日以外にインターナルロールオーバーが生ずると聞きました.EndRun製品にも対策は必要ですか?

A

結論から先にお話しすると,EndRunのGPS製品ではロールオーバーにより運用に支障が生ずることは将来にわたりありません。

そもそもこの問題は,他社製品が採用した不完全なロールオーバー対策の設計に由来します. 多くの GPS 受信機はそのファームウェア更新日をGPS週番号から現在の日付時刻を算出するのに使います.これは GPS 受信機のファームウェアを1024週以上更新せずにおくと日時が遡及する可能性があることを意味します.実際,1度目のロールオーバーを迎えた際に,多くの GPS 同期製品がこの問題を経験しました.にもかかわらず,今もロールオーバー問題を生ずる製品が多く存在します.これら製品も GPS 受信機のファーウェアを更新すれば問題を回避できますが,すでに製造元がサポートを打ち切ったために更新できず,遡及が生じてしまう製品が存在します.

EndRunのGPS製品は従来から独自のロールオーバー対策を実装しており,たとえファームウェアを更新しなかったとしてもロールオーバー問題を生じません.しかし,セキュリティー上の理由などもありますのでファームウェアは常に最新の状態に保つことをお奨めします. EndRun の最新ファームウェアはいつでも無償でダウンロードしていただけます.

Q

GPSの週番号がロールオーバーすることが問題になり得ると聞きました.対策は必要ですか?

A

最新のファームウェアをお使いであれば2019年ロールオーバーの心配はありません.また,最新ではないファームウェアをお使いであっても今回のロールオーバーでも将来のロールオーバーでも1024週遡ることはありません.詳しくはこちらのフィールドサービスブレテンをお読みください.常に最新のファームウェアをお使いになることをお奨めいたします.

Q
ファームウェアをV3.04に更新したら SNMP で監視している項目の値が変わってしまいました.
A

ファームウェアを V3.04以降に更新した場合,SNMP 監視系でお使いいただいている MIB ファイルも更新していただく必要があります.新しい MIB ファイルは Sonoma の以下の場所にあります.

/usr/local/share/snmp/mibs/SONOMA-MIB.txt (71:2017年6月以前出荷品)
/usr/local/share/snmp/mibs/SONOMAMG-MIB.txt (76:2017年7月以降出荷品)

また、gpsFaultStatus と gpsFault2Status,gpsReceiverFaultStatus と gpsReceiverFault2Status オブジェクトをお使いの場合,オブジェクトがニブルに分割されておりますので,MIB ファイル内の説明をお読みの上,対応していただきますようお願いいたします.こちらも合わせてお読みください

Q アンテナ系が妥当であるかどうかどのように判断すればよいですか?AGCとC/Noの見方は?
A

空を広く見渡せる場所であればどこにでもGPS受信アンテナを設置できますが,携帯基地局の近くなど送信機の近くや,他の建造物の反射波を受信する可能性のある場所は避けます.アンテナ系の総合利得が妥当かどうかは,AGC(自動利得制御)の数値から推察できます.数字が小さいほうが信号強度が強いことを意味します.AGC値が110以上140以下であることが望ましく,100を下回る場合は総合利得が高すぎる可能性がありますので、中継増幅器が入っている場合は取り除くなどしてみます.AGC値が140を上回る場合は同軸ケーブルを見直すか中継増幅器を挿入するなどアンテナ系の総合利得を上げる対策が必要になります.C/N値は41dB以上43dB程度を保つのが望ましく,40dBを下回ることがある場合はアンテナ系の総合利得を上げる対策が必要になります.また,AGCが100近くなのに C/N が40dBか下回る場合は障害波の影響を受けている可能性があります.

日本国内において、アンテナキットのアンテナ(利得40dB)と同軸ケーブルを使い,空の開けた場所で受信した場合,AGCは110程度,C/Nは 42~45を示します.

例: AGC = 118 C/N = 44.0 dB 良好な受信状態

# gpsstat
LOCKED TFOM = 3 2019 288 07:23:50 18 18 2 6 118 422481 44.0 0000 0000
Q

AGCの通常値はいくつですか?

A

アンテナキットのアンテナと同軸ケーブルのみを使った場合、AGCは110程度になります.アンテナキットのアンテナが内蔵するLNAの利得は40dBです.20dBの損失のある同軸ケーブルと組み合わせた場合に AGC は 140程度になります.20dB の損失は,90m の 5D-SFA-LITE 同軸ケーブルの損失に相当します.安定した受信のためにAGC140以上は避けるべきです.アンテナ系の総合利得(アクティブアンテナの利得-伝送路の損失)はできれば30dB程度を維持し,20dBを切ることがないようにします.

Q
GPS衛星(SV)毎のC/Noの通常値はいくつですか?
A C/Noの値はSVが地平線に近い時にもっとも悪くなり仰角(Elevation) 20度以下では信号は弱く40dB程度を示します.SVの仰角が大きくなるにつれて信号強度も改善し,C/Noも改善して50dBを超えることもあります.
Q
GPS衛星のAve. C/Noの通常値はいくつですか?
A 概ね42~45dB程度を維持するはずです.維持できない場合はアンテナ系の総合利得を上げる対策が必要になります.
Q

GPS アンテナの設置位置からは空を広く見晴らすことができず,GPSに同期するのに時間がかかっています

A

GPSに同期するにはアンテナの位置を正確に評定する必要があり,そのためには4つ以上のGPS衛星を受信し続ける必要があります.GPS衛星の位置は時間と共に変化しますので,長い時間かければ位置評定ができる可能性もありますが,別の方法でアンテナの位置(基準位置の座標と標高)を調べて手入力し,USERモードで運用する方法もあります.手入力した座標と限られたGPS衛星でも NTP に必要とされる精度は十分満たすことが出来ます.手入力の方法はこちらを参照ください.

Q

GPS アンテナを窓ガラスに設置していますが、Sonoma GPS の TFOM が大きく変化することがあります

A
GPS アンテナを窓ガラスに設置した場合は,GPS アンテナからの視野が狭くなり,また他の建造物棟からの反射波も受信することがあるために受信状況は変化し TFOM が劣化することがあります.また、一時的に GPS 衛星が視野に入らなくなって,ホールドオーバーに入ることがあります.そのような状況下であっても,Stratum 1 NTP サーバーとして必要とされる時刻精度は維持し,時刻配信を続けることができますので TFOM の変化を注視する必要はありません. 窓アンテナでもさらに高安定高精度な時刻を必要とされる場合や,さらに長いホールドオーバー期間を希望されるのであれば,OCXOオプションやルビジウムオプションなどの高安定基準発振器オプションをご検討下さい.
Q
Sonoma GPS の起動直後の動作は?
A
  1. 約10秒間,赤色の Alarm LEDが点灯します.
  2. 緑色の Sync Status LED が連続点灯します.
  3. GPS信号を見つけると,3-D manualのSelf Surveyモードでのポジションフィクス(位置評定)が始まり自身の位置情報を平均2000回の測定を繰り返して平均位置を確定します.SYNC LEDがゆっくり点滅し始めます(0.4Hz).この間はPDOPが高く設定されますので4つ以上のGPS衛星が広く展開している必要があります.一か所に偏っている場合は4つの衛星が見えてもポジションサーベイには使用しません。
  4. GPS信号に同期し設置場所の測位が確定すると,自動的にOverdetermined(OD)クロックモードに入りタイミングデータのデコードが始まり,SYNC LEDは非常に早く点滅します(6Hz).
  5. GPSに同期すると,SYNC LEDは 1Hz で点滅を始めてピッ,ピッ,ピッと短く点灯します.この時点から Stratum 1 の正確な時刻の配信が始まります.
すでにポジションフィクスを終えており,設置位置を正確に把握している場合は数分でGPS信号に同期します.

上記の状態に30分以内に到達しない場合は,全面ボタンを操作してReceiver>StatusとReceiver>SV-Infoで受信状態を確認します.Receiver>Statusが表示するAve. C/No値(平均C/No値)は通常40dB以上になります.Receiver>SV-Infoが表示する個々のSV(GPS衛星)のC/No値は仰角が高いときには50dBに達すことも珍しくありません.一方C/Noがおよそ36dB未満の信号はエラーを含む可能性が大きくなるため情報源として使いません.これらは gpsstat および gpstrkstat コマンドやWeb画面でも見ることができます.Ave. C/No値が安定して高い値を示す場所にアンテナの設置場所を移すなり,アンテナシステムを見直すなりしてください.
Q
Sonoma GPS のアンテナを移設しました。起動直後の動作は?
A

基本的に放置すれば新しい位置であることを検出してから新しく位置評定(Position Fix)してGPSに同期します.これには30分ほどかかります.もう少し早く同期させたいのであれば,古い位置情報を一旦消去します.コンソールから設定するには setgpsrefpos コマンドを使い unknown に設定します.前面パネルから操作するには Main Menu から Ref_Pos を選択し,EDITボタンを押して Unknown を選択します. この操作後,GPSアンテナが空を広く見渡せる場所に設置できているのであれば,20分以内には GPS に同期します.

Q
Sonoma GPSのアンテナはどこに設置すればよいですか?
A
できるだけ広く空を広く見渡せる場所に設置します.
NTPの場合:
    一旦4つ以上のGPS衛星を使う測位により正確な設置場所を算出できれば,1つ以上のGPS衛星からの信号が受信できればNTPが必要とする正確な時刻を知ることができますが、設置場所を正確に算出するポジションサーベイには広く展開した4つのGPS衛星が一定時間見え続ける必要があります。
    どうしても屋上にGPSアンテナを設置できない場合は,南側が広く見渡せるなどいくつかの条件を満たせば,窓ガラスに垂直に取り付けることで,運用できる場合があります.窓ガラスにアンテナを取り付ける前に必ずこちらをお読みください
    またCDMA携帯基地局からの信号を利用する Sonoma CDMA は設置の簡単な室内アンテナで運用可能です.ぜひこちらの製品もご検討ください.
PTPの場合:
    NTP よりも、より精度の高い同期精度が望まれます. Receiver>Statusが表示する Ave. C/No 値が常に45dB程度を安定して示す空を広く見渡せる場所にアンテナを設置します. これにより,TFOMは3に維持されます(一時的に 4 になることもありえます).また,標準装備のTCXOではなく、オプションのPremium-OCXOオプションを搭載することで,より精度の高い安定した運用が可能になります.
Q
Sonoma GPSを既設のGPSアンテナに接続して使えますか?
A
多くの場合問題なく動作しますが,簡単にはお答えできません.既設のアンテナ設備の仕様書,回路図,レベルダイアグラムを提供いただき検討することになります.その後,評価機による運用試験を経て可否を判断します.基本的に他社工事によるアンテナとの組合せ動作の保証はいたしかねます.
良いアンテナシステムのガイドラインとして以下を参考にされてください.
Q
良いGPSアンテナシステムとは?
A
  • 付属の同軸ケーブルとアンテナが使える場合にはそれを使い,良好なAve. C/No値が得られる特に南側の空を広く見渡せる場所にアンテナを設置します.
  • アンテナの設置場所が Sonoma の設置場所から遠い場合や1つのアンテナを複数の受信機で共有する場合には以下をガイドラインとしてアンテナシステムを設計してください.
    1. アンテナには本体付属品のようなNFが低く利得が高く携帯電話基地局の送信に対するフィルターを内蔵したものを使い,携帯基地局アンテナや衛星地上局アンテナや、他のGPSアンテナなどから十分離して設置します.
    2. アンテナ系の総合利得は30dB~40dB程度を維持し,20dBを切ることがないようにします.過度な利得,低すぎる利得は受信障害を生じます.増幅器,分配器,減衰器はGPS用途に作られたDC通過型の製品を使用します.
    3. 二重シールド低損失の同軸ケーブルを使用し,ケーブル損失を補償するためにLNAを挿入する場合は,EndRun Glna2 のようなフィルター内蔵型を使い,なるべくアンテナの直下に設置します. その際に LNA 出力や同軸ケーブルからの漏えい波がアンテナに回り込まないように指示に従った設置を行ってください. 同軸ケーブルをアンテナの真下に引き下ろすこと,二重シールドの同軸ケーブルを使うこと,などは必ず守らねばなりません. 同軸ケーブルのロスが少ない場合,LNAは必ずしも必要ではありません. 必要最小限の数の LNA を使います.
    4. 雷対策を確実に行ってください.通常、アンテナとLNAの後,建屋に引き込むところに避雷器を挿入し,避雷器は良好な接地に接続します. きちんと接地しない避雷器は用をなしません.
    5. アンテナの可視範囲にマルチパスを生ずる反射物が少ない設置場所を選択してください.時間差の大きいマルチパスはGPS機器の動作と時刻精度に悪影響をおよぼします.
    6. 分配器を含むアンテナシステムでは,最終段の分配器(Endrunを接続する分配器)は近接出力ポートとのアイソレーションが30dB以上ある(通称ハイアイソレーション型分配器)を使います.ポート間アイソレーションの少ない中継分配用の分配器を最終段に使うべきではありません.弊社でも GPS Networking 社の GPS 信号分配システムを扱っております.気軽にお問い合わせください.
    7. アンテナ系の 電源をどこから供給するのかを検討します.電源がないとアクティブアンテナは機能しません.

      NFの小さい適度な総合利得を持つアンテナ系を使用した場合、たとえ衛星が低い仰角にある悪条件ても39dB-Hz以上のC/No値になり,衛星が天頂近くにある場合はC/Noは50dB-Hz近くになり,平均C/Noは45dB-Hz程度を安定して保ちます.
Q
アンテナ系が妥当であるかどうかどのように判断すればよいですか?AGCとC/Nの見方は?
A

空を広く見渡せる場所であればどこにでもGPS受信アンテナを設置できます.ただし,携帯基地局の近くなど送信機の近くや,他の建造物の反射波を受信する可能性のある場所は避けます.ファームウェアが76系のSonomaにおいては,アンテナ系の総合利得が妥当かどうかをAGC(自動利得制御)の数値から推察できます.数字が小さいほうが信号強度が強いことを意味します.AGC値が110以上130以下であることが理想です.100を下回る場合は総合利得が高すぎる可能性がありますので、中継増幅器が入っている場合は取り除くなどしてみます.平均C/N値は45dB程度を保つのが理想的です.平均C/N値が40dBを下回る場合は何らかの対策が必要です.また,AGCが100近くなのに C/N が40dBか下回る場合は障害波の影響を受けている可能性があります.

例: AGC = 118 C/N = 44.0 dB 良好な受信状態

# gpsstat
LOCKED TFOM = 3 2019 288 07:23:50 18 18 2 6 118 422481 44.0 0000 0000
Q
GPSアンテナの工事を依頼できますか?
A
地域によっては,GPSアンテナ系の設計と設置工事をお請けしております.ただ設置するビルによっては指定工事業者が決まっている場合があり,また施設の事情に詳しい業者が工事するのが望ましいことがあります.その場合、弊社技術者が設計確認と工事立会(ともに有償)を行うことができます.お問い合わせください.
Q
Sonoma GPS が GPS衛星からの信号を受信できなくなったらどんなアラームが出るのですか?
A

信号を受信できない理由により異なったアラームが出ます.

1. GPSアンテナへの給電が断たれた場合
何らかの理由でGPSアンテナへ接続が断たれるか、短絡すると、GPS衛星 からの信号を受信出来なくなります。給電が途絶えるか、過電流が流れ ると、GPS Antenna (ANT) フォールトが発生し、サマリーアラームが立 ちます。 結果として、サマリーアラームを示す赤色LEDが点灯し、フロントパネルディスプレイにもサマリーアラームを示す SysStat - FAULT が表示され ます。フロントパネルを操作してFAULTS画面にアクセスすると、ANT-Flt が点滅表示されて、GPSアンテナへの給電が断たれた、あるいは過剰な 電流が流れていることがわかります.

2. GPS信号を受信できなくなった場合
GPSアンテナシステムは正常であるにも関わらず、何らかの理由でGPS 衛星からの信号が受信できなくなると、Sonoma はホールドオーバーモー ドに入り、自らの基準発振器をもとにした時刻の配信を続けます。 ホールドオーバーモードが時刻の配信を続けられる期間は、搭載する 基準発振器により異なります.基準発振器がTCXOの場合,24時間以上衛星からの信号を受信できなくてもStratum 1の精度を維持し続けます.Premium OCXO を搭載している場合は 35 日間以上,Rb を搭載している場合は 140日間以上 Stratum 1 を維持します. その間、自身の確度を示す TFOM は 3 から徐々に劣化していき,TFOM 8 の確度を補償できなくなると非同期を示す TFOM 9 となり,GPS Signal (SIG)フォールトが発生し,サマリーアラームが立ちます.結果として、サマリーアラームを示す赤色LEDが点灯し、フロントパネルティスプレイにもサマリーアラームを示す SysStat - FAULT が表示されます。フロントパネルを操作してFAULTS画面にアクセスすると、GPS信号の受信障害を示す SIG - Flt 点滅滅表示されます.

Q
Sonoma GPS を移動する車両の中で使えますか?
A
車両のように高速で移動する場合はお使いいただけません. 移動速度の遅い船舶においてはダイナミックモード(移動運用) ON にすることでお使いいただけます.
Q
Sonoma GPS のアンテナを窓ガラスに設置する際に注意することは?
A
こちらを参照ください. 多くの場合、窓ガラスアンテナでもGPS衛星が見え続ければ NTP に十分な精度をえることができます。 PTP でサブマイクロ秒秒の精度を求める場合は窓アンテナは避けるべきです.
Q
Sonoma GPS の設置場所の座標を手で入力できますか?
A
ハンディーGPS受信機やGoogle MapsなどでWGS-84による座標を調べ,setgpsrefpos コマンドで入力することができます.窓ガラスにアンテナを取り付けた場合など,GPSアンテナが4つの衛星を同時に見ることが難しく,自力でポジションフィクスを得られない場合があります.そのような場合はこの方法で設置場所の座標をなるべく正確に(<100mの誤差)入力してください. ダイナミックモード(移動運用)にしているときは,このコマンドは無効になります.
Q
Sonoma GPS の設置場所のWGS-84座標を知る方法は?
A
Sonoma GPSにログインして,gpsrefpos コマンドを実行します.応答例:
CURRENT REFERENCE POSITION = AVG N38d26m36.11s W122d42m56.50s +00032.5 meters
AVGは過去24時間の平均値であることを意味します.そのほかに,UNK(不明),DYN(ダイナミック=移動モード),USR(ユーザーがsetgpsrefpoコマンドで入力した座標)があります.
SNMPでオブジェクト gpsReferencePosition を読み込み,リファレンスポジションを知ることができます.
応答例:
STRING: "N35d41m14.10s E139d46m25.70s +000 98.7 meters"
Q
Sonoma GPS の表示する設置場所の座標とインターネット上の地図サービスの座標が違うのですが?
A
Sonoma GPS の gpsrefpos コマンドやログの表示する座標は世界標準の WGS-84 座標系です.インターネット上の地図サービス(MapFanなど)は,TOKYO-GPSなどのローカルな座標系を使っていることがあります.地図サービスの使っている座標系を確認してください.Google MapsはWGS-84座標系を使っています.
Q
タイムサーバーの時刻精度を知る方法は?
A
TFOMをチェックします.GPSに同期していれば 3か4 を,同期できない時間が経過するほど数字は大きくなり,9になるとstratum1を維持できなくなります.なおTFOMの数値はひとつ変化するごとに精度が10倍変化することを意味します.よって5から6に劣化するのにかかる時間も,4から5に変化するのにかかる時間の10倍になります.SNMPではgpsTimeFigureOfMerit (TFOM)をチェックします.TFOMが変化するとトラップ gpsTrapTimeFigureOfMeritChange を送信します. 詳しくはMIBを参照ください.
Q
SNMPでGPS衛星との同期状態を知る方法は?
A
gpsSigProcState をチェックします.同期していれば2を,同期できていなければ0か1を返します.
詳しくはMIBを参照ください. snmpwalkの例
ログ項目SNMPオブジェクト内容
StategpsSigProcState2 であればGPS衛星に同期
CNR/SNRgpsAvgCarrierToNoiseRatiodB大きいほどCN比が良好 通常30以上
Num SatgpsNumTrackSats受信できている衛星の数
TFOMgpsTimeFigureOfMerit時刻精度 4なら1usec以内の誤差
Q
異常発生時にSNMP Trapを送ることはできますか?
A
次の4つのトラップが定義されています.詳しくはマニュアルとMIBを参照ください.
SNMP Trap内容現在値
gntpTrapLeapIndBitsChangeLeap Indicator Bit の変化gntpLeapIndBits
gntpTrapStratumChange
Stratum の変化gntpStratum
gpsTrapFaultStatusChangeGPS Fault ステータスの変化gpsFaultStatus
gpsTrapFault2StatusChangeGPS Fault ステータスの変化gpsFault2Status
gpsTrapTimeFigureOfMeritChangeTFOMの変化gpsTimeFigureOfMerit
Q
今,GPS衛星がいくつ見えるはずなのか簡単に知る方法はありませんか?
A Sonoma GPS は現在受信できているGPS衛星(SV)に関する情報を表示できます.しかし、どの時刻にいくつの衛星が見えるはずかを表示する機能はありません.
Trimble が Planning の名前でオンラインサービスを行っています. これを利用すると任意の場所で,任意の時刻に,空のどの位置にどのGPS衛星が見えるかを図示することができ,またどの時間にいくつの衛星を見ることができるか,またDOPはいくつになるのかを知ることができます.
Trimble の Planning
Q
アルマナックとかエフェメリスとはなにですか?
A GPSでは、複数のGPS衛星を使いGPS受信機の位置を計測して,GPS衛星とGPS受信機との距離を知り,距離から伝達にかかる時間を計算して,GPS衛星から受信した時刻を補正することで正確な時刻を知ります.そのためは,まずどの衛星がGPS受信機の上空にあるか知らねばなりません.アルマナックは各GPS衛星の軌道要素であり,GPS受信機の起動時に受信することで,その時刻ならどの衛星が見えたらどの衛星も見えるはずであるかをおおざっぱに示すことで、GPS衛星の探索に要す時間を短縮します.アルマナックを受信するのには12.5分かかります.エフェメリスはそのGPS衛星の精密な軌道要素であり、その衛星の軌道上の位置を正確に計算するのに使われます.各GPS衛星はアルマナックと自身のエフェメリスを送信(ブロードキャストと呼ぶ)しています. GPS受信機を固定位置で使う場合(Dynamic Mode OFF)は,すでにGPS受信機は自分の正確な位置を知っていますから素早くGPS衛星に同期できます.
Q
ブロードキャストって何ですか?
A 航法メッセージとも呼ばれ,各GPS衛星が常時放送しているメッセージであり,アルマナックやエフェメリス,運用情報や時計の精度や閏秒や電離層遅延に関する情報などが含まれています.300ビットのサブフレーム5つを含むフレームが25フレームで37500バイト長のメッセージが構成され, 50bpsで送信されていますから,一回り受信するのに12.5分かかります.
Q
GPS衛星(SV)毎のC/Noの通常値はいくつですか?
A C/Noの値はSVが地平線に近い時にもっとも悪くなり仰角(Elevation) 20度以下では信号は弱く40dB程度を示します.SVの仰角が大きくなるにつれて信号強度も改善し,C/Noも改善して50dBを超えることもあります.
Q
GPS衛星のAve. C/Noの通常値はいくつですか?
A 概ね45dB程度(+/-4dB)を維持するはずです.40dB以上を維持できない場合はアンテナ系を見直します.
QIRIGやシリアルタイムコードで配信する時刻はなにですか?
ATime Modeの設定でUTC, GPS, Local Time から選択できます.GPS時刻はGPSの時刻です.UTCはGPS時刻にうるう秒オフセットを加えたものです.Local TimeはUTCに時差とサマータイムを加えたものです.
Q
うるう秒があると聞いたのですが?
A
GPSタイムサーバーではうるう秒は自動的に処理されます.
こちらのページを参照ください.
Q
GPSが太陽フレアの影響をうけると聞いたのですが?
A
GPSタイミングは、ソラーフレアとCME(Corona Mass Emmission=噴出物)の地球到達による電離層の外乱の影響を受けますが,その影響はマイクロ秒以下の小さなものであり、NTP のミリ秒の要求精度に対してはるかに小さく十分無視できる変化にすぎません.GPS衛星自体もCMEの影響を軽減する設計がなされており、もし直接影響を受けて誤った時刻を配信することがあったとしても複数の衛星による冗長なシステムですから、受信機を含めた系全体として影響を排除できる設計になっており、過度な心配は無用です。 ナノ秒級の高精度時刻同期にも使われる EndRun の時刻と周波数標準である Meridian II と Tycho II にはEndRun独自のRTIC(Real Time Ionospheric Corrections)オプションが用意されており,ナノ秒単位の軽微な電離層の外乱の影響にも自動的に対処します.
Q

空を広く見渡せる場所に GPS アンテナを設置していますが、Sonoma GPS の TFOM がやや頻繁に 3 と 4 の間で変化します.

A

非常に古いファームウェアで生ずる既知の問題です.実害はありませんが最新のファームウェアに更新してください.

最新のファームウェアをお使いになっていても,時刻確度の指標である TFROM が3(最高精度)から4に変化し,また3に戻る挙動を示すことがあります. 多くの場合,この変化は GPS 信号の受信障害により引き起こされます. 基本的に TFOM が4に変化しても NTP の同期精度に影響はないと考えられます.

Q

空を広く見渡せる場所に GPS アンテナを設置していますが、Sonoma GPS の TFOM が,ごく希にですが 9 になるようです

A

古いファームウェアで生ずる既知の問題の可能性があります.最新のファームウェアに更新してください.

最新のファームウェアをお使いになっているにもかかわらず,TFOMが9になるのはGPS信号の受信状態が悪い事が疑われます.ログをお送りいただければ受信状態の確認をいたします.

Q
1年に数回NTPデーモンが再起動し,その間時刻同期(NTP, PTP, IRIG, Serial)が途切れます
A
GPS Subsystem P/N 6010-0071-000 である Sonoma D12 GPS (2017年5月以前に納入,前面パネルの操作でFirmewareを選択することないしは,gpsversion コマンド,ないしは Sonoma のウェブ管理画面にて確認可能)に数ヶ月に一度時刻同期が数分間途切れる不具合が見つかりました. 機能が停止する恐れはありませんが,対策済みのファームウェアを更新することをおすすめいたします. ファームウェアの更新による基本機能への変更や影響はありません. ファームウェアの更新は Sonoma D12 GPS のウェブ画面から行うことができます.なるべく早くファームウェアを更新することを強くお奨めいたします.ファームウェアの更新は Sonoma D12 GPS のウェブ画面から行うことができます. 更新方法の詳細についてはマニュアルを参照ください.ファームウェア更新後は Linux Subsystem (RFS) V2.40以降、Linux Subsystem (Kernel) V2.01以降、GPS Subsystem V2.05以降となります. ご不明な点は弊社までお問い合わせください.