IRIG タイムコードと書式
IEEE-1344 C37.118 Extension について



概要

1956 年に,アメリカのInter Range Instrumentation Group (IRIG)TeleCommunication Working Group (TCWG) がタイムコードの標準化をするように命じられて,IRIG フォーマットが制定がされした.最新版は Range Commanders Council のサイトにあるAvailable Publicationのページから入手できます.

IEEE-1344 extension はアメリカのIEEEのPower Engineering Society の The Power System Relaying Committee により IEEE Std 1344-1995 として出版された規格であり,その Appendix F に電力系の用途において必要とされる年月日やうるう秒,時刻精度などを IRIG-Bxx0 に含まれるユーザー規定可能な Control Functions(27ビット 通称CF)に規定しています. 現在は広く使われるようになり,通常 IRIG B120 や B124,あるいは B004 と呼ばれるタイムコードは,多くの場合IEEE-1344です.IEEE 1344 の一部である BCDyear は Coded Expression 4,5,6,7としてIRIG STANDARD 200-04 に定義され 2005年から IRIG 仕様に採用されました.IEEE-1344 はその後一部追加されて C37.118 となりましたが,現在も通称としてIEEE-1344 extensionと呼ばれ続けています.

EndRun が標準でサポートするフォーマット
以下の通りです.これ以外についてはお問い合わせください.
IRIG-B122/002
IRIG-B123/003
IRIG-B120/000 (IEEE-Standard 1344-1995、IRIG-B124/004 拡張を含む)
NASA-36
2137

すべてを網羅する IRIG-B120/000(IEEE-1344)
EndRun のIRIG-B120/000 には IEEE-1344 が含まれており,すなわち IRIG-B124/004 も含まれています.
IRIG-B124/.004 は IRIG-B120/000 のCF領域に BCDyear を加えており,IEEE-1344 もまた IRIG-B124/004 の CF 領域に閏秒、タイムゾーン、時刻精度に関する情報を加えています. 逆に言えば,IRIG-B120/000(IEEE-1344) には IRIG-B124/004 とIRIG-B123/003 IRIB-B120/000 の要素がすべて含まれています.詳しくはこちらを参照ください.

IRIG フォーマット形式の書式

IRIGコードの書式には,ローマ字1文字と数字3文字で構成される名前がつけられています.それぞれの文字や数字はIRIGコードの構成を意味しています.

EndRunのタイムサーバするーと時刻標準がサポート IRIG タイムコードの実際の配列例はこちらを参照ください

Endrun のタイムサーバーと時刻周波数標準 はAM IRIGオプションとして B120/IEEE-1344, B122, B123, NASA-36, 2137 を出力できるほか,プログラマブルTTL出力オプションから DCLS B000/IEEE-1344, B002, B003, NASA-36, 2137 を出力できます.

文字と数字は次の意味を持っています.

最初の文字
速度
-
ビットレート
フレームレート
フレーム間隔
A
B
D
E
G
H
1000 PPS
100 PPS
1 PPM
10 PPS
10000 PPS
1 PPS
10 fps
1 fps
1 fph
6 fpm
100 fps
1fpm
0.1 sec
1 sec
1 hour
10 sec
10 ms
1 min
最初の数字
様式
0
1
2
DC Level Shift (DCLS), パルス幅変調, キャリアなし
サイン波のキャリアを振幅変調
マンチェスター符号
2番目の数字
キャリア
0
1
2
3
4
5
キャリアなし (DCLS)
100 Hz / 10 ミリ秒分解能
1 kHz / 1 ミリ秒分解能
10 kHz / 100 ミリ秒分解能
100 kHz / 10 ミリ秒分解能
1MHz / 1 マイクロ秒分解能
3番目の数字
コーディング
0
1
2
3
4
5
6
7
BCD, CF, SBS
BCD, CF
BCD
BCD, SBS
BCD, BCD_Year, CF, SBS
BCD, BCD_Year, CF
BCD, BCD_Year
BCD, BCD_Year, SBS

  • BCD - Binary Coded Decimal, coding of time (HH,MM,SS,DDD)
  • SBS - Straight Binary Second of day (0....86400)
  • CF - Control Functions ユーザー定義 (IEE1344やANFORが年情報ほかを定義)
 
振幅変調の IRIG コード (AM IRIG コード,アナログIRIGコードなどとも呼ばれます)

一般的に使われているIRIGコードです.振幅変調のIRIGコードはキャリアとそれを変調するIRIGタイムコードからできています.電話回線を通じて送ることが出来ます.最初の数字は1,キャリアの周波数はタイムコードの名前の2番目の数字で表します. 例:IRIG-B122
  • キャリアのエンベロープはIRIGコードそのものになっています
  • マークとスペースの比は通常 10:3 (10:3 から10:6 が許される)です
 

DCLS の IRIG コード (DC IRIG コードなどとも呼ばれます)

DCLS IRIGコードは,キャリアを持たないIRIGコードそのものです.デジタル的に処理するのに適しています.最初の数字は0,キャリアを持たないためタイムコードの名前の2番目の数字も0になります.例:IRIG-B002

    • IRIG 200-98 で定義されたコードです
    • DC レベルシフトコードであり,キャリアを持ちません

200-04 200-16で追加された BCD-year

Coded Expression 4, 5, 6, 7 として CF - Control Functions に追加された BCD-year の定義
IBID - 同前
IRIG B
位置ID
CF
ビット
内容
説明
P50
1
西暦,BCD 1
西暦の末尾2桁をBCDで
P51
2
西暦,BCD 2
P52
3
西暦,BCD 4
P53
4
西暦,BCD 8
P54
5
未使用
未割り当て
P55
6
西暦,BCD 10
西暦の末尾2桁をBCDで
P56
7
西暦,BCD 20
P57
8
西暦,BCD 40
P58
9
西暦,BCD 80
P59
-
P6
位置ID #6
P60
1
Not Used

Control Bit

P61
2
IBID
IBID
P62
3
IBID
IBID
P63
4
IBID
IBID
P64
5

IBID

IBID
P65
6

IBID

IBID
P66
7
IBID
IBID
P67
8
IBID
IBID
P68
9
IBID
IBID
P69
-
P7
位置ID #7
P70
10
Not Used
Control Bit
P71
11
IBID
IBID
P72
12
IBID
IBID
P73
13
IBID
IBID
P74
14
IBID
IBID
P75
15
IBID
IBID
P76
16
IBID
IBID
P77
17
IBID
IBID
P78
18
IBID
IBID
P79
-
P8
位置ID #8

IEEE 1344 / C37.118

IEEE 1344 における CF - Control Functions の定義
EndRun のタイムサーバー,時刻標準は IRIG-B120/000 IEEE-1344を出力します

IRIG B
位置ID
CF
ビット
内容
説明
P50
1
西暦,BCD 1
西暦の末尾2桁をBCDで
P51
2
西暦,BCD 2
P52
3
西暦,BCD 4
P53
4
西暦,BCD 8
P54
5
未使用
未割り当て
P55
6
西暦,BCD 10
西暦の末尾2桁をBCDで
P56
7
西暦,BCD 20
P57
8
西暦,BCD 40
P58
9
西暦,BCD 80
P59
-
P6
位置ID #6
P60
10
LSP
うるう秒の挿入前の59秒まで1になる
P61
11
LS
0=うるう秒の追加 1=うるう秒の削除
P62
12
DSP
サマータイム(DS)変化の前59秒まで1になる
P63
13
DST
1=サマータイム(DST)
P64
14
タイムゾーンオフセット 正負

0=+,1=-

P65
15
タイムゾーンオフセット バイナリ1
UTCとIRIG Bタイムコードフレームの時刻との差
(サマータイム期間には変化する)
P66
16
タイムゾーンオフセット バイナリ2
P67
17
タイムゾーンオフセット バイナリ3
P68
18
タイムゾーンオフセット バイナリ4
P69
-
P7
位置ID #7
P70
19
タイムゾーンオフセット 0.5時間
0=なし 1=0.5時間オフセット追加
P71
20
Time Quality Bit 時刻精度
クロックの誤差を示す4ビットのコード
下のTime Quality Bit の説明を参照のこと
1001=誤差10ms以上,GPSに同期していない
P72
21
Time Quality Bit 時刻精度
P73
22
Time Quality Bit 時刻精度
P74
23
Time Quality Bit 時刻精度
P75
34
パリティ
フレームの先頭からCFビット23までのデータビットの奇数パリティ
P76
25
IEEE-1344 では未使用
C37.118 では Continuous Time Quality Bits 0
P77
26
IEEE-1344 では未使用
C37.118 では Continuous Time Quality Bits 1
P78
27
IEEE-1344 では未使用
C37.118 では Continuous Time Quality Bits 2
P79
-
P8
位置ID #8

 

4-bit Time Quality Bits (IEEE-1344 EndRun Sonoma D12, Meridian II etc.)
P71 から P74

Binary     Hex     Value (worst-case accuracy)   

0000         0     Normal operation, clock locked (TFOM=3)
0100         4     time error is < 1 us
0101         5     time error is < 10 us
0110         6     time error is < 100 us
0111         7     time error is < 1 ms
1000         8     time error is < 10 ms
1001         9     time error is > 10 ms, unsynchronized state if never locked to GPS.

3-bit CTQ (Continuous Time Quality Bits, C37.118)
P75 から P78

Binary     Hex     Value (worst-case accuracy)

000          0     Not used (indicates code from previous version of profile)
001          1     Estimated maximum time error < 100 ns
010          2     Estimated maximum time error < 1 uμs
011          3     Estimated maximum time error < 10 uμs
100          4     Estimated maximum time error < 100 uμs
101          5     Estimated maximum time error < 1 ms
101          5     Estimated maximum time error < 1 ms
110          6     Estimated maximum time error < 10 ms
111          7     Estimated maximum time error > 10 ms or time error unknown