EN235A
広範囲動作温度(-40~70°C)・ワイドレンジDC入力(33.6V~62.4V)・Smart UPS対応、EN50155準拠、第3世代Intel® Core™ プロセッサー搭載、1Uラックマウントファンレスシステム
 
  • Intel® Ivy Bridge プロセッサーCore i7
  • DDR3 SO-DIMM x2 (最大16 GB)
  • 2.5" SATA HDD/SSD4 x (2 x イージー・スワップ2.5" HDD トレイ)
  • デュアルGbE LAN ポート(M12コネクター)
  • USB 3.0 x4、VGA x1、HDMI x1、DVI-I x1
  • 33.6V~62.4V DC入力
  • 動作温度-40~70°C
  • EN50155準拠
製品概要
ファンレス耐環境19インチ1UラックマウントEN235Aは、Intel® Ivy Bridge i7-3610QE CPU+QM77チップセット搭載, クアッドコアのCPU は2.3GHzから3.3 GHzのクロック周波数で高いパフォーマンスを発揮します。また、ファンレスによる静穏設計、異物や塵の侵入を防ぐと共に、広範囲の動作温度に対応、70℃の高温下でもスロットリング無しで、高いパフォーマンスを維持します。この他、EN50155準拠、33.6V~62.4Vのワイドレンジ電源にも対応、不安定な電源供給でも高い安定性を発揮します。高い耐環境性を備えたEN235Aは、鉄道機関などの車両や最新のオートメーションなどに最適なソリューションとなっています。
内蔵バッテリー&UPS無停電電源装置
鉄道システムにおける停電に対するソリューションとして、EN235AにはUPS機能とバッテリーセットが装備、ビルトイン10V/2500mAバッテリー(最大25W)とUPSボードで、停電や電源供給停止によるシャットダウンを防ぎ、バッテリー駆動時間内でのバックアップを可能にしています。

EN50155準拠
EN50155規格は、鉄道車両に搭載する電子機器における国際基準で、温度対応、湿度、耐衝撃・振動性などの基準が設けられています。EN235AはEN50155の最高基準でるEN50155Txを準拠、チャンバー内での低温(-40℃)試験を2時間、高温(70℃)試験を6時間実施、-40から70°Cの温度対応が証明されています。 耐振動試験は非動作時5~150 Hz 5時間 / 各軸(0.5 g) 、動作時5~150 Hz 10 分/ 各軸(0.1 g)で実施、耐衝撃試験は水平軸、横軸、縦軸で50 m / s2 30msの半正弦波によって実施され、振動や衝撃晒される鉄道車両上のコンテンツサーバーや乗客用インフォテインメントなどに最適なソリューションとなっています。
リムーバルSSDトレイ
高い柔軟性とユーザーフレンドリーのニーズを満たすため、EN235Aには内臓SSDx2に加え、リムーバルSSDx2が実装されており、乗客用インフォテインメントやコンテンツサーバーなどストレージの交換が必要なシステムに最適な設計が施されています。
 
EN235Aメイン・ボード: Mini ITX INS8335A

1. ターボ・ブースト–フルスピード(3GHz 最大3.3GHz)
EN235AはIntel® Ivy Bridge 22mmプロセッサー+QM77チップセットを搭載, クアッドコアのCPU は2.3GHzから3.3 GHzのクロック周波数で高いパフォーマンスを発揮します。クアッドコア プロセッサーi7-3610QEはインテル®ターボ・ブースト・テクノロジー2.0に対応、最大TDP(熱設計電力)45Wで、クロック周波数を上昇させ計算速度をアップさせます。
 
2. ワイドレンジDC入力
9Vから24Vのワイドレンジ電源設計のINS8335Aは、異なるDC電圧に対応、様々な現場での利用が可能な柔軟性の高いボードとなっています。ワイドレンジ電源は電源アーキテクチャの再設計など不要で、急激な電圧の上昇から受ける機器の損傷を防ぎ、安定した高いパフォーマンスの維持をサポートします。
 
スペックシート
モデル EN235A
動作温度 -40°C ~ 70°C
システム CPU Intel® 22nm Ivy Bridge プロセッサー(Mobile) ソケット(rPGA988)
Intel® Core™ i7-3610QE (4C x 3.3 GHZ), 6M L2 キャッシュ(45W)
Intel® Core™ i5-3610ME (2C x 2.7 GHZ), 3M L2 キャッシュ(35W)
Intel® Core™ i3-3120ME (2C x 2.4 GHZ), 3M L2 キャッシュ(35W)
チップセット Intel® QM77 Express チップセット(Intel® BD82QM77 PCH)
電源 EN50155規格:48V (33.6V ~62.4V DC入力対応)
OpenUPS 無停電電源装置(ボード)
CYCLON バッテリーセット(10V 2.5A [1時間])
メモリー 204 ピン SO-DIMM DDR3 1333/1600 MHz x2  最大16GB
拡張スロット Mini PCIe (GEN2) x1
ストレージ 2.5" SATA HDD/SSD (リムーバル2.5" HDDトレイ) x2
2.5" SATA HDD/SSD (搭載済み) x2
前部I/O 電源ボタン 1
LED表示 電源LED x1
HDD LED x1
LAN LED x4
LAN M12コネクターx2 (前部I/Oカバー内部から延長)
電源入力 M12電源コネクターx1
前部I/O(カバー内部) VGA 15 ピン VGAコネクター (メス) x1
DVI-I 25 ピン DVI-Dコネクター (メス) x1
HDMI 19 ピン HDMI Aタイプ コネクター(メス) x1
イーサネット Intel® 82579LM & 82574IT GbE LAN (10/100/1000 Mbps RJ45ポートx2)
オーディオ Mic入力, Line出力
COM RS232/422/485 x1
USB USB 3.0 x 4
背部 I/O 2.5" HDD/SSD トレイ 2
アース線取付け用ネジ 1
対応OS Windows Windows 7 32 bit, Windows 7 64 bit
Linux Open SUSE 12.2、Ubuntu 12.04
構成・動作環境
許容電圧 33.6V~62.4V DC入力
本体寸法 440 x 44 x 463 mm (17.32" x 1.73" x 18.23")
重量 9.05 kg (19.94 lbs)
動作温度 -40~70°C (気流環境内)
ストレージ対応温度 -40 to 85°C
相対湿度 10%~90%, 結露しないこと
認証
EMC CE, FCC Class A
鉄道規格 EN50155準拠
CPUパフォーマンス
EN235Aには効果的な熱伝導率と伝達率を発揮させるため、ヒート・コンダクション、ヒート・コンベクション、水の循環による3構造のサーマル・ソリューションが採用され、極端な温度環境下での使用を可能にしています。熱伝導におけるソリューションは、銅製ヒート・スプレッダーを直接プロセッサー、チップセットに接触させることにより、効果的に熱を吸収、ヒート・パイプを伝って左右のアルミ筐体ヒート・シンクへ熱を運びます。これらのサーマル・モジュールの採用によって、プロセッサー、チップセットなどから発生する熱を素早く筐体に伝達、放熱、-40から70°Cの極端な温度下でも高いCPUパフォーマンスの維持します。
温度試験結果
機器モデル EN235A 試験結果 合格
試験実施者 Ian Huang
線図 試験温度 試験時間
高温 -40~70°C 5時間
試験規格 IEC60068-2
使用ソフトウェア Burnin test v7.1,
Crystal DiskMARK3.03,
Intel Extreme Tuning Utility
合格基準 試験終了後の正常動作を確認
試験構成
構成部品 構成 製造元 部品番号
CPU Type Intel® Core™ i7-3610QE Processor
(6M Cache, up to 3.30 GHz)
Intel i7-3610QE
PCH Intel® QM77 Intel QM77
Memory DIMM1 DRAM SODIMM 4GB DDR3 1333 W/T Innodisk M3SN-4GMJDI09-D
Memory DIMM2 DRAM SODIMM 4GB DDR3 1333 W/T Innodisk M3SN-4GMJDI09-D
SATA Port1 Innodisk 2.5" SATA SSD 3ME 32GB Innodisk DES25-32GD0SC1QC
SATA Port2 ADATA 2.5" SATA SSD 128GB Apacer ASP900S3-128GM
使用ソフトウェア Burnin test v7.1、AS SSD、
Intel Extreme Tuning Utility、iperf
   
チャンバー KSON THS-b4t-150 Chipeng SMO-3 KSON Chipeng THS-b4t-150 SMO-3
温度測定試験
STackRackでは、社内に耐久試験所を設けCPUパフォーマンスを測定、機器の開発や設計の際、参照にする重要なデータを収集しています。システム・インテグレーションの際には、高温下での高いパフォーマンスが最も重視されるため、STackRackでは製品が苛酷な環境下でも動作するように長期的な耐久試験を実施しています。T-junction、die、ヒートシンクの温度を測定することにより、より正確なCPUパフォーマンス・データを取得・分析、最大限のパフォーマンスを引き出す設計を考察しています。EN235Aの高温下での試験は50度から85度で5時間、各設定温度で1時間動作試験が行われています。
EN235A CPUパフォーマンス (-40~70)
温度 -40°C -20°C 0°C 25°C 50°C 55°C 60°C 65°C 70°C
CPU T-J 47 52 55 92 93 94 95 95 95
CPU ダイ 24.7 29.1 35.8 72.3 77.6 81.1 84.2 85.4 86.8
ヒートシンク 11.7 17.4 24.6 61.4 69.7 74.1 76.7 80.2 82.5
Δ1=(TJ-ダイ) 22.3 22.9 19.2 19.7 15.4 12.9 10.8 9.6 8.2
Δ2=(ダイ-シンク) 13 11.7 11.2 10.9 7.9 7 7.5 5.2 4.3
CPU周波数 3.09GHz 3.09GHz 3.09GHz 3.09GHz 2.93GHz 2.7GHz 2.58GHz 2.31GHz 2.06GHz
サーマル・ソリューション
広範囲動作温度のニーズへ対応するため、EN235Aにはヒートコンダクション、ヒートコンべクション、水循環システムの3構成からなるサーマルモジュールが適用されています。プロセッサーなどのキーコンポーネントから発生した熱は銅製放熱板に素早く吸収され、ヒートパイプに伝わります。この銅製ヒート・パイプは真空(液体-蒸気)ヒートパイプと呼ばれ、熱の吸収によって液体から蒸気に変化する構造になっていると共に、アルミ製ヒート・シンクから素早く熱が筐体外部に放出される仕組みとなっています。これらのサーマル・ソリューションによって、EN235Aは-40 から70°Cの動作温度を実現、過酷な環境下でも安定した高いパフォーマンスを発揮します。
蜂の巣形状の通気口
埃や異物の侵入のリスクがあるファンによる冷却ソリューションの替わりに、ファンレスシステムEN235Aには、筐体各面に蜂の巣状の通気口が設けられ、空気の流れを確保、効果的な放熱を促す設計が施されています。最低限の表面積に空けられた蜂の巣状の通気口は、筐体の頑健性を損なうことなく、高い放熱性を発揮します。

バッテリーセット搭載&UPS無停電電源装置
EN235Aには、バッテリーセットとUPS無停電電源装置が搭載、最大10分から15分のパワーディレーオフの設定が可能で、停電時のシュットダウンでも、システムのバックアップが可能になっています。
銅製ヒートパイプ
ヒート・パイプは熱の吸収によって液体から蒸気変化する二段階構造の設計が施され高い熱伝導率を発揮します。
  • ヒート・パイプ1: 直径8.0 mm、銅99%
  • 熱伝導率5000


ヒートスプレッダー
銅製/アルミ製ヒート・スプレッダーは熱源に直接密着するように設置され、無駄なく熱を吸収、最適な形状に加工されたスプレッダーを採用することにより、素早い放熱を可能にしています。
  • 銅96%・重量103.5g
  • 低密度の金属の採用によって、素早い放熱を実現